中高授業研究部会

活動内容:
中学と高校の英語授業の改善を目指して、理論と実践の両面から研究を進めています。授業改善に役立つ研究論文の輪読と討論、実践報告、ワークショップ、授業や教材研究や自己研修に役立つソフトウエアの紹介、ビデオによる授業研究、講演などを中心に、年8回、第2土曜日の午後に例会を開催しています。支部会員の例会参加費は無料です。中学高校の英語教育に関心をお持ちの会員の方なら、勤務校の校種に関係なく、ホームページからいつでもメンバー登録が可能です。春と夏には、会員外の中学や高校の先生方も参加できるセミナーを開催しています。

中高授業研究部会

2024/08/06

中高授業研究部会 9 月例会のお知らせ

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中高授業研究部会
中高授業研究部会9月例会

日時:9月8日(日)15:00-16:30 Zoomによるオンライン開催

内容:

「英語教育における利他・ケアを考える」西本有逸(京都教育大)

コロナ禍で「利他」や「ケア」が注目されるようになりました。教育(実践)の世界においても潜んでいるのではないか、親和性があるのではないかと考えます。中島岳志は『思いがけず利他』(2021年 ミシマ社)の中で、「利他は自己を超えた力の働きによって動き出す。利他はオートマティカルなもの。利他はやって来るもの。利他は受け手によって起動する。そして、利他の根底には偶然性の問題がある。」と言います。私みたいな門外漢が無謀を承知のうえで利他とケアについて問題提起をします。


「英語教師がケアする必要性:言語学習に不安を抱える学習者に注目して」

杉原颯太(京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程)

今日の英語教育は個々の学習者が「何ができるか」を明示する傾向にある(Can-Doリストの活用)。そして、個々の学習者が何ができ/できないのかを示すことは、学習が遅れた時に、より効率的な指導につながりうる(個別最適化された指導計画の作成)。このような教育は「キュア」要素が強いと言える。キュアとは、学習者の不足する部分を専門的な方法によって判別し、「理想状態」へと専門知を用いて強制的に変化させる営みである。しかし、教師によるキュアは多くの不足する部分や深刻な苦手意識を持つ学習者に対しては大量の不足点を提示する行為になりかねない。学習者は大量の改善点を提示されると、まるで人格否定され、改善に対して意欲的でなくなる可能性がある。学習者の中には少なからず深刻な学習不安や苦手意識、学習の遅れを抱える学習者が存在する。そこで、本発表はキュアに対立する「ケア」の視点を提示する。ケアとは、学習者のできることを尊重し、「理想状態」への移行を一時的に棚上げすることで、それぞれの学習者にとっての目標が達成されることを応援する営みである。ケアは、特に、単位習得の危機にある学習者や強い言語不安状態にある学習者に有効である。英語教師はキュアだけでなくケアもするべきだ。特に単位習得の危機にある学習者、言語学習に対して強い不安を抱える学習者に対応するため。そして、英語教育はキュアとケアのバランスを適切に保つことが重要である。


参加費:無料

要予約:下記問合せ先へ前日までにメールによる

問合せ先:西本有逸(yuitsuアットマークkyokyo-u.ac.jp)

00:12

2024/05/22

中高授業研究部会6月例会のお知らせ

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中高授業研究部会
日時:6月2日(日)15:00-16:30 Zoomによるオンライン開催

内容:
「いつからでも遅くはない授業改善のポイント」
西本有逸(京都教育大学)

PDCAサイクルが破綻してAARサイクルに取って代わっても所詮、処方箋の域を脱していない。授業改善とは眼前の生徒に対して教師自身が自らの頭と手で生み出さなければならない、授業をデザインする営みであろう。今回はテクニック等についてはふれない。際限がないからである。認識論(生徒がわかった!という実感)・存在論(生徒と教師の変容)・行為論(特に教師の言語行為)から授業改善のポイントを考えてみたい。

「授業改善に向けて第一歩を踏み出しましょう!:より良い授業と評価を目指して」
戸田行彦(京都外国語大学)

もっと良い授業をしたいなぁと思うのは我々教師の性でしょうか。授業改善というと、明日の授業で使える実践例を求めて、よく週末開催のセミナーに参加することがあります。また、〇〇先生のあの活動やってみたいと思い、取り組んでもうまくいかないこともあります。当然ながら、文脈(学校・指導者・学習者等)が違うわけで、発表者はそれに気づくのに時間がかかりました。学習者の一番の理解者である先生方の授業実践や教材の味付け方法は、先生方次第だと考えています。そこで本発表では、実践例も一部ありますが、筆者の中高教員時代の16年間大切にしてきた指導法と第二言語習得理論を踏まえて、日々の授業改善に向けた第一歩を踏み出すきっかけになればと思います。1学期も後半戦です。期末考査の作成に向けて、何か一つでも参考になれば幸いです。

参加費:無料

要予約:下記問合せ先へ前日までにメールによる

問合せ先:西本有逸(yuitsuアットマークkyokyo-u.ac.jp)

20:06

2024/01/31

中高授業研究部会 3月例会のお知らせ

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中高授業研究部会
外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会 3月例会/
京都教育大学英語の教え方研究会:自由と創造 第13回例会
日時:3月10日(日)15:00~16:30 *Zoomによるオンライン開催
内容:「今春より教壇に立つ中高新採教員の不安・疑問に回答し、応援するセミナー」
コーディネーター 西本有逸(京都教育大)
ゲストは大阪府中学校教員と京都府高校教員になる教職大学院生二人です。以下のような不安・疑問を持たれています(代表例)。
・勤務時間中に教材研究・準備はどのくらいとれるのか。他の仕事とのバランスは。
・ALTとのT.Tの形態と工夫。
・投げ込み教材を使用したいが、他の教員との関係(同僚性)。
・学力差のあるクラスでの授業の進め方・レベルの照準。
・3観点の評価の実際。
・教員の評価はどのような形でどのような場面で決まっていくのか。
先輩教員として是非アドバイスをお願いいたします。また、今回のねらいは英語科教育の古くて新しい諸問題を参加者全員で議論することでもあります。
参加費:無料(要予約)
申込み締切:3月9日
申込み・問合せ:京都教育大学・西本有逸
        yuitsu@kyokyo-u.ac.jp

04:58

2023/11/26

外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会 12月例会のお知らせ

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中高授業研究部会
外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会 12月例会

日時:12月10日(日)15:00-16:30 Zoomによるオンライン開催

内容:

「英語教育にもっとパトロゴス(pathologos)を!」 西本有逸(京都教育大学)

パトロゴスとは『情と意の脳科学』(松本元・小野武年編 培風館 2002年)p.280からの引用である。言葉(ロゴス)と情動(パトス)が調和/融合された造語である。「情動機構においても、それが言語機能と結びついたとき、発現形態に質的な発展が生じる。つまり、情動機能は高次の認識機構が基盤にあったときに、芸術や文学の分野において格段に高いレベルの機能が発揮される」のである。知識技能と思考判断表現力の育成の彼方には意味生成があるのであり、パトロゴスのパラダイムが広がる。真なるもの善なるもの美しいもの(真善美)は教育の営みの根幹を成すということを英語教育は忘れてはいないか。

「言語芸術を題材に「美しい」と感じる人のこころに迫る」
櫃割仁平(京都大学大学院教育学研究科博士後期課程)

「古庭や月に湯婆 (たんぽ) の湯をこぼす」という句を読んだ時に何を感じるだろうか?世界最短の詩と称される「俳句」は、その情報量の少なさから、いつも「曖昧さ (ambiguity)」を抱かせる。その曖昧さは、日常のコミュニケーションでは避けられることが多いが、俳句を含む言語芸術では受容され、時に期待されている。本発表では、俳句の曖昧さが美しさの感じ方とどう関係しているのかを検討した私たちの4つの心理実験を紹介し、よりジェネラルな「美しい」と感じる人の心についても考えたい。また、先の俳句は “An old garden. Under the moon, she empties my stone hot–water bottle.” と英訳されている。詩人ロバート・フロストが「詩とは翻訳で失われるもの」と述べたように、翻訳された英語俳句には「詩」が失われているのかもしれない。そこで指す「詩」とは何か、詩的であるというのはどういう状態か、ということに最近は興味を持っていて、英語の教え方研究会の先生方とともに考えたい。

参加費:無料

要予約:下記問合せ先へ前日までにメールによる

問合せ先:西本有逸(yuitsuアットマークkyokyo-u.ac.jp)

06:43

2023/08/31

中高授業研究部会 10月例会のお知らせ

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中高授業研究部会
外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会 10月例会 & 京都教育大学英語の教え方研究会:自由と創造 第11回例会

日時:10月8日(日)15:00-16:30 Zoomによるオンライン開催

内容:
「探究の基礎基本:認識論的問いと存在論的問い」西本有逸(京都教育大学)
「教師の発問で生徒が学ぶ:わかる授業・わからない授業」鷲見俊幸(岐阜県立加納高校)

参加費:無料

要予約:下記問合せ先へ前日までにメールによる

問合せ先:京都教育大学 
西本有逸(yuitsu@kyokyo-u.ac.jp)

06:41