外国語教育メディア学会関西支部中高授業研究部会12月例会/
京都教育大学英語の教え方研究会:自由と創造 第8回例会
日時:12月11日(日)15:00〜16:30 *Zoomによるオンライン開催
内容:
表象主義をのりこえる読みの指導:時空について
西本有逸(京都教育大学)
いったいどれくらいの数のリーディング教材が生徒の心に残っているのでしょうか。表象主義一辺倒では限界があります。英語科教育は学校教育における情操教育の一端を担うことができ、その主力は読みの指導にあります。物語の時空について考えます。
「検定教科書・Graded Readers」と「絵本」の読書の両輪で進める英語の授業の意義と方法
水野邦太郎(神戸女子大学)
発表者は,1999年に Graded Readers (GRs) や絵本の読書の授業を「Interactive Reading Community (IRC) プロジェクト」と名付け,大学で実践し始めた。この約20年間を振り返り,Graded Readers (GRs) が小・中・高・大で「市民権」を得て授業で利用されるまでに,理論的かつ実践的にどのような問題や課題があったかを以下の観点から振り返り整理したい。
理論的な観点
・文科省の「コミュニケーション能力観」― 言語使用の観点からみた「4技能」再考
・コミュニケーション能力とは何か ― Competence vs Capacity (Widdowson, 1983)
・「コミュニケーション能力」の育成と新学習指導要領の「三つの資質・能力」の育成からみたGRs の読書の文化的・教育的価値
・GRs の生みの親 ― Harold Palmer and Michael West,
・Authenticityとは何か ― Graded vs Ungraded
・「教科」としての英語教育における GRs の読書のあり方 ―「多読」からの脱却,「学びの三位一体論と学びの共同体創り」(佐藤 学)と「学びのドーナッツ論」(佐伯 胖)に基づいた授業デザイン
実践的な観点
・GRs の読書の「基礎・基本」となる「中学校3年間の検定教科書」の「定着」
・検定教科書に掲載されている読み物の活用方法 ―英語音読劇 とリタラチャー・サークル
・中学検定教科書から GRs の読書への「足場かけ」となる読み物の重要性
・「教室」での読書コミュニティ創りの方法と意義
・ICTを活用したインタラクティブな読書コミュニティ創りの方法と意義
・「学びのドーナッツ論」の「第二接面」における「絵本」の文化的・教育的価値
本発表が,これまで GRs や絵本を使って授業をされてきた先生方にとって,また,これからチャレンジしてみたい先生方にとって,参考になれば大変嬉しく存じます。